「東京の地価は世界一高い」といわれたのは、今は昔の話。バブル崩壊以降、日本の地価や住宅価格が下がり続ける一方で、欧米やアジアでは好景気を背景に不動産価格が上昇してきました。日本も都心部ではここ数年で少し持ち直していますが、世界の水準から見ると決して高くはないようです。むしろ、相対的には割安ともいえるかもしれません。
(社)日本不動産鑑定協会の「2007年世界地価等調査」を見ると世界の状況がよくわかります。世界15カ国23都市の住宅価格や賃料を調査したもので、都心から概ね1時間以内に一戸建て住宅や集合住宅が集積している居住環境の良好な地域が対象。このうち、マンション価格を為替レートで換算して比較したのがグラフ1のデータです(一部の都市を省略)。東京を100とした場合の指数で示してあります。
東京は下から数えたほうが早い12位。トップのニューヨークは東京の5倍以上です。香港やシンガポールは東京の4.5倍。ロンドン、パリ、フランクフルトなどのヨーロッパにも遅れを取っています。いつのまにか大きく水を開けられているようです。
かろうじて北京や上海、ソウルより上回っていますが、台北には追い抜かれ、成長著しいアジア圏にもかなり迫られています。同じ日本の大阪や名古屋は、既に中国よりも格下になりました。
もっとも、アメリカのサブプライムローン問題が引き金となり世界的に経済が低迷していますので、今後はある程度まで差が縮まるなど、状勢が塗り変わる可能性もあります。
ちなみに、都心商業地の賃料が一番高いのは、なんと台北。2位がロンドン、3位が北京で、東京は第4位です。今や、1国内の市場だけで不動産価格も賃料が決まるわけではありません。今、どこが注目され、世界のマネーがどこに集まっているのか。経済のダイナミズムが、こんなデータの中から読みとれるかもしれません。 |