| マイホームを買うときに、住宅ローンの年末借入金残高に応じて一定の所得税が控除されるのが「住宅ローン控除」です。2007年の税制改正で、この減税措置に新たな特例が加わり、選択制になります。
既存の住宅ローン控除の控除額は入居する年によって違います。07年に入居した場合の控除率は、6年目までが借入金残高の1%、7年目から10年目までが0.5%です。借入金残高が2500万円までの部分に適用され、最長10年、最大200万円までの控除が受けられる計算です。08年に入居した場合は、借入金残高の上限が2000万円に下がり、控除額も最大160万円までとなります。適用期間、控除率は同じです。
これに対して新たな特例は、適用期間が最長15年に伸び、控除率が変わりました。新特例の控除率は、当初10年間が0.6%、残り5年間が0.4%です。適用対象になる借入金残高の上限と、トータルの控除額は同じです。では、何が違うのでしょうか。ポイントは年間の控除額の上限です。

既存の住宅ローン控除の場合、6年目までは年間の最大控除額は25万円。新特例の場合は同じく15万円です(いずれも07年入居で2500万円の借入金残高があるものとする)。しかし、これはあくまでも上限で、実際に支払っている所得税を超えて控除されることはありません。既存の住宅ローン控除と新特例、どちらを選べばいいのでしょうか。
仮に、支払っている所得税が15万円だとしましょう。既存の住宅ローン控除を選んだ場合、1?6年目の年間控除額は15万円が限度。7年目からは年間の最大控除額が12.5万円になるので、10年間トータルしても140万円です。一方、新特例の場合は1?10年目が同15万円、残り5年が同10万円で、トータルは200万円です。控除される期間が長いので、得になります。
支払っている所得税が20万円の場合は、既存の住宅ローン控除がトータル170万円。所得税を25万円以上払っていないと、10年間の最大控除額である200万円に達しないわけです。逆にいえば、所得税が25万円未満なら、新得例が得となります。所得税が少ないということは、所得が低いということ。つまり、今回の税制改正は中低所得層向けの減税といえるでしょう。
比較的所得が高くて所得税が25万円を超える人は、どちらを選んでもトータルの控除額は変わりません。10年間で200万円か、15年間で200万円かの違い。早い時期に多めに控除を受けたいなら、既存の住宅ローン控除を選ぶメリットがあるでしょう。
この他、一定のバリアフリー工事をした場合には、工事費用の2%を所得税から控除する『住宅のバリアフリー改修促進税制』も創設されます(07年度与党税制改正大綱より。正式決定は国会通過後)。 |