マイホームに長く安心して住むうえで、一番気になることの一つがアフターケアではないでしょうか。それを強力にバックアップする保険制度が、この7月からスタートしました。
その内容を説明する前に、まず、法的なアフター保証の制度について復習しておきましょう。
2000年4月に施行された品質確保促進法では、主要な構造部分や雨漏り対策などへの10年保証(瑕疵担保責任)を新築住宅の供給業者に義務づけました。瑕疵とは、建物を引き渡されたときにはわからなかった「隠れた欠陥」のこと。引き渡し後に、基礎や柱・梁などの構造耐力上重要な部分や、雨水が浸入しないように防水すべき部分に不具合が出た場合に、業者の負担で補修をしてくれるという制度です。
新築住宅には必ずこの10年保証が付いているとはいえ、業者が経営不振で補修工事に対応できなかったり、倒産してしまったりすれば、実質的に保証は受けられません。これでは消費者に不安が残ります。
こうした問題を解消するために、「住宅瑕疵担保履行法(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律)」が‘07年5月に制定されました。この法律は、
‘09年10月以降に引き渡しをする新築住宅から、住宅事業者に対して10年保証を間違いなく履行するための「保険への加入」、または「保証金の供託」を義務付けたもの。仮に不具合が発生したときに業者が倒産していても、保険や保証金でカバーしてくれるというわけです。
これが冒頭に紹介した保険で、正式には「住宅瑕疵担保責任保険」と呼ばれています。住宅事業者が国交省の指定する住宅瑕疵担保責任保険法人との間で、住宅1件ごとに保険契約を結ぶのが基本。保険料は、事業者の企業規模、住宅の床面積や保険金額によって異なります。ある保険法人の場合、床面積120平米の一戸建て住宅で7万円弱でした。
瑕疵担保責任にかかわる補修が発生した場合に、保険が支払われます。しくみは図1の通り。
この保険を扱う保険法人が国交省から指定されました。7月末現在の保険法人は、(財)住宅保証機構、(株)住宅あんしん保証、ハウスプラス住宅保証(株)、(株)日本住宅保証検査機構の4つ。先行して指定を受けた前2機関が、この7月1日から保険の取り扱いをスタートしました。後の2機関も8月から開始予定です。
保険金が支払われる補償対象は、図2のように直接的な費用以外に調査費用や引越し代なども含まれます。ただし、住宅事業者などの故意や重大な過失、自然災害、地盤沈下などによって生じた損害に対しては保険金が支払われないことに注意してください。
‘09年10月以前に引き渡される住宅の場合、保険への加入は任意となります。年内に着工する小規模なマンションや一戸建てなどの場合、保険に加入しているケースと加入していないケースが出てくるかもしれません。ただ、できれば加入してくれる業者を選んだほうがより安心といえるでしょう。
なお「供託」は、供給戸数に応じた現金を法務局などに提出して、それを瑕疵担保責任という債務を履行するための保証金として用いる制度です。 |